2008-09-01から1ヶ月間の記事一覧
薄暗い廊下の端の手洗いの鏡に映る在りし日の父短歌日記
指差して確認するはこの部屋に我のほかには誰もいぬこと短歌日記
真夜中にみず飲みにいくのはきらいトイレのドアがきいっとなるから短歌日記
火薬庫に近づいていく僕たちの帽子のつばを汚す小鳥ら (新井蜜)短歌日記
蛍篭つるした蚊帳の裾くぐり川の字となる叶わない夢短歌日記
雲井阪ふたりで歩くおそ夏の降り止んだ午後葛切り食べに短歌日記
艶々と黒い毛の犬寝そべって歩道をふさぐ雨催いの朝
眠れずにナイフを探すうずたかい洗濯物の山の中から
ひとつだけ朝顔ひらき誰もいぬ運動場に降る宇宙線 (新井蜜)
幾十の破片となりてそれぞれの宇宙を映す投げた手鏡
迂回して撃ちに行くけど方法を忘れはしない聞き耳たてる
だれもいぬここであたしの矢をえらび構えのなかによみがえる夏
島影は水の楼閣取り上げる双眼鏡の波のまにまに
一斉に鳴きやむ蛙 たったいま命の謎に気づいたように (新井蜜)
梅雨晴れの真昼の街を沈黙し赤色灯つけパトカーが行く (新井蜜)
完熟のトマトにかぶりつく庭に祭り囃子が遠く聞こえる (新井蜜)
題詠blog2008から私の好きな歌を少しずつ集めてみます。新井蜜短歌日記 (はこべ) (梅の咲くころから) 花びらがこの手にとまる確率をきみに預けて深呼吸せり (村本希理子) (きりころじっく2) うはのそらなのねあなたの目の隅の朝のテレビの降水確率 (は…
題詠blog2008から私の好きな歌を少しずつ集めてみます。新井蜜短歌日記 (此花壱悟) (此花帖) 祭礼の調子ッぱずれのてんつくが嬉しくもあり小春日和に